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Perl 5は生き返った! 4月13日にPerl 5.12.0がリリースされました

Perl 5は生き返った! 新たな前進を再開したPerl 2010年4月16日

publickey Junichi Niino(jniino)のブログ記事より引用
http://www.publickey1.jp/blog/10/perl_5_perl.html

Perl 5コアの開発はここ数年、負の連鎖が続いていた。リリースは滞り、開発者は去り、将来の見通しはどんどん悪くなっていった。ここで話すのは、Perl 5の開発におけるこの悪い流れがどのようにして、楽しく、前向きで、エキサイティングなものに変わったか、というストーリーだ」

Perl 5 is Alive Marked by Release of Perl 5.12 | ActiveState BlogPerl 5のコアデベロッパーで、ActiveStateの技術リードでもあるJan Dubois氏は、4月13日に同社のブログにポストしたエントリ「Perl 5 is Alive」で、このように書き出しています。

Perlは、機能が高度化し複雑になったPerl 5までのバージョンを見直し、新たに作り直そうと、2000年にPerl 6の開発が始まりました。しかしPerl 6は10年たったいまでもリリースされておらず(今月に最初のバージョンがリリースされるといわれていましたが…)、一方でPerl 6の開発が始まってからは、旧バージョンになることが分かっていたPerl 5の開発もスローダウンしていきました。
つまりPerl全体の先行きが不透明なものになってしまったのです。

そうした中で昨年11月に、Perl 6は次世代Perlではなく、Perl 5とPerl 6は別々のPerlとしてそれぞれが進化していく、という合意がなされました。Perl 5はPerl 6に置き換えられる存在ではなく、これからは独自に進化していくソフトウェアであるということが明確になりました。

2009年の夏、Best Practical Solutionsのプレジデント Jesse Vincent氏は、何か手を打たなくてはと行動を起こしました。
Vincent氏は、Webアプリケーションのchangeloggerをセットアップし、開発者の共同作業を助け、Perl 5.10以降の変更に注釈が付くようにしました。
そしてPerl 5.11.0(デベロップメントリリース)のスナップショットとともに、次のようなメッセージをメーリングリストにポストしました。Perlのリリース方法の見直しです。

いままではPerlのリリースは「pumpking」のメンバー個人に依存していたけれど、それをやめようと彼は宣言します。pumpkingは、Perlの開発者ラリー・ウォール氏やその右腕としてこれまでずっとPerlのパッチ適用の判断とその適用、意見のとりまとめなどを行い、リリースを管理してきた人たちです。リリースごとにその中の誰かがリリースマネージャとして割り当てられ、多くの作業をこなしていました。

新しい仕組みでは、こうした個人に多くを依存するのをやめ、もっと純粋にリリース作業だけを行う方式です。
新しく「release manager’s guide」も作り、リリース用スクリプトも自動化します。また、(デベロップメント)リリースは毎月行い、担当者も毎月変わります。pumpkingは意見のとりまとめ、および最終意志決定の権限を持つことになります。

こうしたJesse氏の施策は少しずつ成功していきます。

その後の2カ月で2回のデベロップメントリリースを出した後、Jesse氏は2009年10月31日に「Halloween message」を公開します。そこでは、デベロップメントリリースではなくパブリックリリースとしてPerl 5.12のリリースをすると宣言されていました。
そうして、パブリックリリースであるPerl 5.12を自分たちでリリースしよう、ということになるのです。

開発者が戻り、再び軌道に
ここからPerl 5には再び協力者が拡大していき、またPerlリポジトリソースコード構成も変更され、CPANPerl 5 coreの両方にあるソースコードがメンテナンスしやすいようになります。

長年にわたり無償でPerl 5のコントリビュータとして活躍していたDave Mitchell氏は、現在The Perl Foundationの報酬を受け取る立場としてPerl 5のバグに対して精力的に修正を行っており、そのほかにもコアデベロッパー以外の.pmグループの協力者がバグの仕分けをしたりと、より広い範囲の人たちがPerl5の開発に直接参加できるようにコミュニティ全体が動いています。

そして更新の勢いを維持するために、Perlのリリースは機能ベースから、時間ベースへと変更されました。Perl 5.12の1カ月後にバグフィクス版の5.12.1メンテナンスリリースを予定し、その11カ月後に5.13デベロップメントリリース、そしてその約1年後に5.14パブリックリリースを予定しています。

こうしてPerl 5の開発は再び順調さを取り戻そうとしています。

ブログの書き手であるJan Duboisは、この数年、Perlを取り巻くトピックはMooseCatalystなど、Perlコアではないところにあったと書いています。

再びPerlの開発に人々が戻ってきている。Perlの未来は再び明るくなるだろうと、このエントリを結んでいます。